第11話  捨てる女に成る為に

愛はどうやら

最悪に追い込まれる方が

本領発揮できる人間みたい


天斗が愛を

追い詰めてくれた

おかげで

『捨てる女に成る!!』

決意表明を自分に

することが出来て


愛は

水を得た魚のように

じゃあ何からどうするか?

考え始めた


目標が決まると

愛はイキイキする

寂しさなんか

吹き飛んでいく


がんじがらめに

何かに縛られてた

愛だったが

今は物凄く

自由で居られている


今までの自分では

『捨てる女』には

成れないので


『捨てる女』って

どういう女

なんだろう?って

愛なりにじっくり

イメージしてみた


すると…

『自立』って

文字が浮かんできた


どんなのが

『自立』って事なんだろう

少しずつ

愛の中で

シミュレーション

出来始めてきた


キーワードも

いくつか掴めてきた


『自立』

『ポジティブ思考』


早速

パソコンで検索すると

『ポジティブ思考』に

成る為のメルマガを

見つけて購読予約する


そのメルマガには

毎回物語が書いてあって

その主人公に

自分自身を置き換えて

どう言動していくか?

答えて行かないと

いけない。


さらに

これを実行していくと

『ポジティブ思考』

止まりではなくて

『ポジティブ』な人間に

成れるって


愛は何かに

とりつかれたように

メルマガの課題を一つずつ

丁寧に

実行して行った


その為には

その物語の主人公が

味わう環境が

必要だと思い

その環境の場は

職場が適所だと

思ったので


転職も繰り返した

そして

その職場では

いじめられたり

陥れられたり

妬まれたり


かなり過酷な試練を

乗り越える

設定ばかりだった

愛の中でも

試練は乗り越えるもの!

みたいな拍車が

どんどんかかって


自らあえて

いばらの道を

選んで

生きているかのように

傷太りになって行った


天斗はそんな愛の

動きに目もくれずに

有頂天になって

ネット友達と

遊びまくっていた


愛はひたすら

自らの課題を

クリアーする為だけに

がむしゃらに

走りまくっていた


愛は確実に

どんどん

『捨てる女』へ

近づいて行って

自信を持て始めていた


あんなに

天斗無しでは

生きられないって

泣いてわめいてた愛が

今はかなり変わって来て


天斗が居なくても

大丈夫な愛に

益々なって来ているのを

感じていた


そのぐらい

愛は5年の間に

経験を積み重ねて

実力を付けて来たのだ


天斗とは対照的な

5年という年月を

過ごしてきたので


天斗とは

方向性も

見ている世界も


下手をしたら

次元が違うくらい

大差が

生まれて来ている

のかも知れないと

愛は思ったのだった





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