第6話

「オレさ、嬉しいんだ。中学時代は身長伸び悩んでたからさ。流石に好きな子より小さいのってちょっと男として情けないだろ?」

「別に情けないとかはないと思うけど…。実際、私みたいにデカい女もいることだし…。っていうか、植草好きな子いるんだ?」


そっちの方が驚きだった。


「いるよ。お前は?いないの?」

「私…?私は…」


言葉を飲み込んだ。


「明日、チョコレートあげたい奴とか、いないのか?」

「う、ん。だ…だいたいさ、嬉しくないでしょ?私みたいなのに貰ったって。それこそ、皆にからかわれるネタになっちゃうって」


こないだの続きみたいな話になってしまって内心へこむ。相変わらずのマイナス思考だ。

でも、また何か言われるかな…と思い、笑顔を作って誤魔化してみた。

すると…。


「何で?」

「え…?何でって…」

「オレは欲しいけどな」

「え?」

「…なんでもない」

「植草…?」


何か、思わぬ言葉を聞いたような…。


(私の気のせい…?)


すると、植草が話題を変えるように話し始めた。


「オレさ、願掛けしてるんだ」

「…願掛け?」

「うん。毎年、高山ってヤマほどチョコ貰ってるだろ?」

「う、ん…。まぁ…」


再びそこの話題に戻ってしまい、少しテンションが落ちていく。


「その高山のチョコの数にオレが勝つことが出来たら、好きな子に思い切って告白してみようかなって思ってるんだ」

「は…?」


何か、今とんでもないこと言わなかった?!


「ちょっ…ちょっと待って。何で私のチョコの数なんかでそんなっ…」


勝手に変な願掛けをしないでいただきたい!


「だからさ、どうしてもお前に勝ちたいんだ。勝って晴れて告白をしたいんだよ」

「あのね…。そんな変な願掛け止めて、普通に頑張って告白すれば良いでしょう」


頼むから私を巻き込まないで欲しい。


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