第41話

「…仕方ないわね。

マックスがいないけど戦うしかないわ」


迫り来る獣の声を聞きながら、全員は武器を構えた。


「行くわよ!」

とメイは走りだす。

そんな中で足を止めたままのヒトが一人いた。


「アンリ様、大丈夫ですか?」


気がついたタオは引き返して、アンリの顔を覗き込んだ。


「あ…ええ。

大丈夫です。行きましょう」


取り繕うように笑顔をアンリは見せて、仲間を追いかけた。一歩遅れてタオも後を追う。


敵地に踏み入ると、正面に見えるのは大きな扉。

そしてその扉には“大きな目”が彫られていた。


あの目は……マナリナで見た事がありますね。

あれは確か…。


その扉の前で跪いて、聞き慣れない呪文を唱えている魔道士がいた。


何となく嫌な予感がした。

止めなくては、そう思った。


その時だ。


私たちが来た道から誰かの足音が聞こえた。


まさか、敵?

追っ手はいないと思っていたのに。


おそるおそる振り返る。


「みんな!」


しかしそれは、この緊迫した空気を打開するものだった。


『…マックス!?』


途端に安堵の声で辺りを占める。構えていた武器を一時下ろした。

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