第38話
ごぅんっ
「うわぁ!?」
「きゃあ!」
突然、馬車が急停止したような揺れが船に起こってら中にいたみんなはドミノのように倒れてしまった、
「どうしたのですか!」
なんとか体勢を立て直したアンリは、舵を握っていたロウに向いた。
「大変だ!
前に渦が発生したんだ!」
彼の隣にいたマックスが答える。
「避けられない!」
「みんな!
何かに掴まっていてくれ!来るぞ!」
それぞれに、近くにあった縁や柱にしがみつく。
ごっ、がぁあああ!
「うわああああ!」
「いやぁあああ!」
船に海水が被る。全体が濡れて、柱がすべって手に力が入らなくなる。
掴まったままでいるのがつらかった。
いっそ、手放してしまったほうが楽なのに。
でも、私は……。
みんなも離さなかった。
まだ何も解決していないのに、死ぬわけにはいかないもの!
そして渦は、乗員を欠かさず船を飲み込んだ。
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