★間奏★

タオ2

第31話

「アンリ様、来てくれるかしら?」

「…来てくれなきゃ困ります」


船から降りて、アンリを待つメイとタオ。


来てくれなきゃ困る。

だって、マックスさんに一番会いたいのは…。


「あ!来たわ!」


アンリとアモンの姿が見えると、メイは声を上げた。


「メイ!タオ!」


「アンリ様!」


アンリ様は私たちを見つけると、走って近づいた。


「タオ…。どうして?」


「…アンリ様。やっぱり…アンリ様が行かなきゃダメですよ」


自分の気持ちを押し殺してるの、私…分かってるんですからね。


「でも、私たちも一緒に行きますね?」

「アンリ様の護衛として――なんて、建前っぽいですね。

私も…マックスに会いたいんです」


メイがそう言うと、「ええ」とタオはうなづいて。


「マックスを叱るために」

「マックスさんを叱るために!」


息を揃えて言った二人に、アンリは目を瞬いたあとに笑った。


「ならば、私が来て良かったわね。

叱るのは――私です」


アンリ様の、本当にイキイキした顔、久しぶりだなぁ。


タオも嬉しそうだった。


「ふふ。

ではみなさん、そろそろ出発しましょうか?」


アモンに促され、忘れてたという顔を三人は見せた。


「ええ、行きましょう」


沈めていた錨が引き上げられ、4人を乗せた船は動き出した。

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