第30話
「アンリ様…行ってきてはどうですか?」
ノーバが揺らついた私を押す。
同時に、本当の私が飛び出してくるのを感じた。
会いたい!
会いたい!
会いたい!
会いたい!
「…行っても…いいのですか…?」
アンリの目から、ほろほろと涙があふれだした。
「城のことは任せてくだされ。これまでと同じように、大臣のウォードそれと私で指揮していきますから」
「ノーバ様…」
真っ赤になった目をノーバに向けると、フォフォと笑い返した。
「よろしく…お願い致します…」
☆
「それでは参りましょう、アンリ様。二人を待たせていますから」
「ええ…!」
ドレスから魔導士の服に着替え、旅に必要な荷物を肩に掛けた。
いつかは知れる事だけど、一緒に旅をしてきたみんなには伝えずに。
「それではアモン、案内していただけますか?」
アンリの言葉に、「ええ」とアモンはうなずいた。
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