第25話

「あ…」


まっすぐ歩いていくと、パオパブの柵があった。そこに腰を掛けていた人物。


それは、マックスだった。


「…何をしているのかしら?」


マックスは、眠っていた一頭のパオパブを起こし、何かを口に押しつけ食べさせようとしていた。彼らしくない、少し強引なやり方に見えた。


「何をしているのですか?マックス?」

「…!?」


パオパブが嫌がってるように見えて、アンリはマックスに声をかけた。すると彼女の存在に気づいていなかったのか、マックスは大袈裟に驚きながらエサらしきものを後ろに隠した。


…?


「あ…アンリ様…」


明らかに怪しかった。


「マックス、何を隠したのですか?何をパオパブに食べさせていたのですか?」


避けるように、じりじりと逃げるマックスに、アンリはズカズカと近寄り、隠した物を見ようとした。

だがそれは許されず、逃げ、逃げ、逃げ。

左からのぞけば右側へ。

右からのぞけば左側へ。


らちがあかなかった。

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