２

「恋が実るおまじない、かぁ～…。

アンリ様は気になる方とかいますか？」

アモンの話が終わると、タオはアンリの隣に座り、先程の話題の余韻に浸っていた。

「そう…ねぇ。

まだそんな方はいないと思うわ」

恋の話題に関心のないアンリは歯切れ悪く答えた。

そんな答えを意外と感じたのか、タオは目を丸くし、

「そうなんですか？」

と驚いた反応をした。その直後、表情は戻りふぅと小さく息をついた。

「うん…。でも安心しました！

アンリ様。もし、好きな方ができたときは教えてくださいね！私も好きな方はいませんけど、応援しますから」

「え…えぇ。ありがとう、タオ」

私に、そんな人ができるのかしら？

そう思いながら、タオの少し強引な約束を、ぎこちなく笑って返した。

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