第22話

夕食と寝るまでの間の自由時間。


「ね、ね、アモンさん!

またおまじない教えてくださ~い」


アモンが仲間になってから、彼女が話すおまじないは女性陣の中で人気があった。


そして今夜も。


「わかりました。それでは…」

アモンは手近にあった椅子に腰を掛けると、彼女を囲むようにタオ、メイ、チップ、ディアーネが座る。

その様子をアンリは遠巻きに見ていた。まだ動くのが辛かったからだ。


「…今日みなさんに教えるのは、“恋が実る”おまじないです」


途端に、歓喜の声が上がる。今まで話してきたおまじないの中でも、一番良い反応。

だが、アンリの反応は薄かった。関心がないわけではないが、今はまだ、という感じで。


話は聞き耳を立てる程度で、輪には入らなかった。


「その方法ですが…。

まず16枚の白い紙を用意します。それに、好きな人の名前を書きます。

その紙を、毎日、真夜中ちょうどにパオパブに食べさせます。一日1枚、毎日違うパオパブに。

これでまじないは完成です。

今、パオ大平原に来ているわけですから、そういう方がいるのでしたら是非やってみてくださいね」

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