第11話

「オレ…」


私が振り返らないでいても、構わずマックスは口を開いた。


「1年前、海岸に打ち上げれたところを、ガーディアナの人たちに助けられました」


「…」


何だか突拍子のない始まりだな、と思いながらも黙って聞くことにした。


「ガーディアナで生活している間、何も知らないオレに、みんな…優しくしてくれて…。

オレには悲しいことの記憶は無いから、なんて言えばいいか分からないけれど」


「…」


「でも…」


「…心配してくれているのですね」


マックスの話を聞いている間に、私はいつの間にか彼がいる方向に体を向けていました。


「もう、大丈夫です。

さっきは取り乱してしまってごめんなさい」


目が腫れている事も忘れて、マックスの顔をまっすぐ見た。

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