第12話

マックスの話を聞いていた時、頭の中にガーディアナの人々の顔が浮かんでいました。


国を守る近衛兵。

身の回りの世話をしてくれた侍女達。

いつも明るく暮らしている町の人々。


優しい顔を向けてくれたお父様…。


思い浮べている間に、いつの間にか悲しさが薄れていたことに気づきました。


「…いつまでも悲しんではいられませんよね。私は、ガーディアナの王女ですから」


丸めた背中をピンと伸ばしたアンリには、王族という風格が出ていた。

思わず何も言えなくなったマックス。


「マックス。ルーンファウスト軍と戦うのですね?」

「え?…はい」

「ルーンファウスト軍が勢力を上げ、他の国を侵略しているという話は、オトラント様から聞いておりました。

もう、ガーディアナだけの問題ではありません。

私も共に行き、彼らを止めます」


「ありがとう、アンリ姫」



…これが、私とマックスの出会い。

そして私の旅の始まり。

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