第9話

マックスの言葉に、アンリの顔からサアと血の気が引いた。


「…そんなこと信じられません!」


突然のことで受け入れられられず、あたり散らすようにアンリは冷静を失っていた。


ウソよウソよ!



「あなた、ウソをついているのでしょう!」


そうだわ!

このマックスという人、ガーディアナから来たというのもウソなんだわ!

何かの企みがあって、私を陥れようとしているんだわ!


「ガーディアナ近衛兵ではないわね。あなたは、何者ですか!?」

「お…オレは…」


アンリの問いに、マックスは答えることが出来ないでいた。


「アンリ様!」


マックスをかばうように現れたのは、私の侍女であるタオでした。


「この方は、バリオス様の弟子で、今は私たちのリーダーとなって、ルーンファウスト軍と戦っているのです」


タオとの付き合いは長い。


「それでは、今の話も………」


「…はい。本当です…」


「…そんな…」


信じる事ができなくて、その場を飛び出していました。


そんな私の後を、彼は追いかけてきたのです。

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