第8話

「あなたが『アンリ様』ですか?」


「!」

そう呼ばれ、アンリは驚いた。


彼とは…

初対面のはずよね…?

彼の顔をもう一度確認する。


…やはり見覚えがない。


「どなたかしら?」

「オレはマックスといいます。ガーディアナ国から来ました」


ガーディアナから…?


祖国の名前が出てアンリは理解した。


この方は、お父様の使者なんだわ。


と。


「お父様からの手紙ですね!?」

「あ、いや…」

「いつまでも子供だと思って…~もう」


困ったような言動をしていたけど、内心嬉しかったりする。


アンリがそんな態度をしていたのは少しの間で、マックスという男が沈んだように黙った事が気にかかった。


「…違うのですか?」


「…ガーディアナ王は亡くなりました。ルーンファウスト軍の手にかかって…」


―――え?


「…な、なんですって…?!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る