第58話
「あれ~?
クラウドも気分悪くした?」
甲板に行く前、隅っこに座り込んでいるユフィに声をかけられた。
「ああ、だから甲板に行くんだ」
「アタシも行こうかな?」
と言いだしたユフィに、「え…っ」と、明らかにクラウドは嫌そうな顔を見せたが、
「…うぷっ…
…やっぱやめる。だからさ鎮静剤ちょうだい」
「…ほら。これ飲んでじっとしてろ」
「さんきゅ~」
内心、クラウドは安心していた。
さっさとユフィに鎮静剤を渡し、甲板に急ぐ。
「…クラウド、気分悪い割には、元気あるね…うぷ」
☆
ひゅうっ
甲板への扉を開けると、一気に風が吹き込んできて、クラウドは思わずよろけてしまった。
空を飛んでいるのだから、無理もない。風から身を守る壁は、甲板にはないのだから。
でも。
「冷たくてちょうどいいな…。これならゆっくり考えられそうだ」
クラウドは手摺りに寄りかかって、さっきの続きを考える事にした。
――夢に出てきたあの場所、コンクリートみたいなところにいたな…。
きっとそこにエアリスはいるんじゃないかと思えた。だから、夢で見せたのだ、と。
オレたちが寄ってきた街は、大体木か土の地面だ。あんな地面がある場所、と言えば神羅と関係がある場所なんだろうな。
ミッドガルからはあんな景色は見れないよな…となると、あとは…?
ボーォォ…
答えが出せず、うなっているとクラウドの耳に入る低い音。
「なんだ?」
気になったクラウドは、その音の出先を探した。
上…ちがう。
飛んでいるあたり…ちがう。
じゃあ下……?
「あ」
あった。
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