第39話
「…分かりました。
他のカップルさんと同じ仕様で撮り直しましょう」
エアリスと男の二人だけで話して数分後。
男は立ち直ったようだった。
「え?イヤ、オレはもう……」
「いいじゃない、クラウド」
クラウドの顔は赤い。
――さっきのこともあって、ヤになっちゃったのかな?
…まあ私も、あんな強引なのはヤだけど。
「今度のは『普通でいい』って。だから…やろう?」
「…そう…言うなら」
クラウドに何とか納得してもらって、わたしたちは再び並んだ。
「それじゃ行きまーす」
パシャ!
もう一度位置を合わせた男はシャッターを切る。
#
――2回目は。
最初の時みたいな自然な距離はとれず、少し離れて横に並んで“ぎこちない写真”になっちゃったけど。
☆
「ふふ。
楽しかったね。クラウド」
「ああ…」
ターミナルに戻ってきたクラウドとエアリス。
「……なあ、エアリス。
さっき男と何を話したんだ?仕切り直しをお願いしてた割には長かったようだけど?」
「そうだった?
それよりクラウド。次はゴンドラ乗ろう?」
ごまかすようにエアリスはクラウドの腕を引き、強引に次のアトラクションに連れていった。
ナイショ。
だって言ったらきっと反対されるもの…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます