第38話

パシャ!


『あ゛っ!?』


クラウドとエアリスの肩がぶつかった時、男はバランスを崩し、そのはずみでシャッターを押してしまったのだ。


「ああ~っ!!」


一枚失敗しただけなのに、すごいショックを受けている様子だった。


「…特別仕様一枚分しか用意してないのに~~っっ!」


男は大声を出した後、しばらくの間固まっていた。

それを呆然と見ている写真に写された3人。


「ああああ…モーグリ君も入っちゃってるし!

ああ!…予備、用意しとけばよかった!」


固まったかと思うと、また大声で叫び散らすと、男はがっくり肩を落とし三脚に寄り掛かるようにした。


今の、失敗なんだ…。


「…」

たたっ…


「エアリス?」


はじかれるように、エアリスは歩き出していた。クラウドの問いに答えず、男のもとに行く。


「あの~。

カメラマンさん?」


「はい?」


クラウドには聞こえないように。カメラマンさんに、わたしはお願いをしてみた。

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