第35話
…でもね。
物語は(突然だけど)佳境。
悪竜王に捕まえられた状態で舞台の上に登場したエアリス。
その後のクラウドは違ったの。
『口づけを姫に~』
そう言って姫役のわたしに近づいて、片膝をついてわたしの手の甲にキスをした。
…――思い込みかも知れないけど…。
その時のクラウドは…ホントのクラウドなんじゃないかなって…。
クラウド、なりきれてない役だったら、こういうこと躊躇しちゃうと思うから。
☆
「いや~!
一時はどうなるかと思いましたよ~。
男の方“ヘボ”なんですもん!」
ショーの終了後。
団員、観客がいなくなった会場でクラウドとエアリスはまだ舞台の上にいた。
そこに、入り口で歓迎してくれた男が、二人に近づき率直な感想を会場に響くほど大きな声で言った。
“だったら…こんな飛び入りショーなんて企画、やらなきゃいいのに…”
と思うクラウドとエアリスだった。
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