中編

第34話

「それで、お二人にはショーの主役として出演していただきます」



『…はい?』



喜びは束の間。


スタッフに案内されるまま、わたしたちはショーの舞台に立つことになっちゃったの!


観客の拍手と共に幕が揚がる。


スポットライトの下にはクラウドと兵士姿の男。


『おお~

あなたは~勇者アイフリ~ド~』


クラウドの前で、まるでミュージカルみたいに歌いながらセリフ言った。


けれどもクラウドの反応は薄い。


『……?

…おい、アンタだよ。アンタ!(小声)』


『え…?オレ?』


『そう、アンタだよ』


兵士役に言われてようやく、自分が『勇者アイフリード』という主役だと言う事に気がついたの。


…って仕方ないよね。

いきなり舞台に立たされて、すぐ本番。


アドリブでやるしかないんだけど…これじゃあヒドすぎるわ。


「彼女さんには悪いが…、彼氏さんのフォローする奴は大変だなぁ」


舞台のそでで出番を待つエアリスは、舞台に立つクラウドを見て呆れていた。彼女の隣にいる、この後一緒に登場する役者も同感だったようだ。

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