第17話

でも、もしかしたら?


無理矢理プラス思考で考えたら、何となく元気が出て、ユフィはふらふらとその棺桶に近づいた。


「おい!

ユフィ勝手に…」


クラウドの注意なんてムシムシ。


もうちょっとで触れられる。……っと。


ガコ。


と、思ったら勝手にフタが少しずれた。


『え?』


その音はクラウドとエアリスにも聞こえたようで、3人は声をはもらせた。


な、なになに?

中に誰かいるわけ?!


不安になって後ずさった。だが途中で何かに引っ掛かって尻餅をつく。


…ガ。


「ひっ!」


ガコン!


「きゃー!」

「きゃー♪」

「わー!?」


フタが吹き飛ぶように開いて、3人は悲鳴を上げた。


だがユフィは、そんな中で細目で棺桶の中の正体を確認しようとした。


中から出てきたのは、黒と赤を持つ人。


黒い髪、黒い服。赤いマント、頭に巻いた赤のバンド、そして何より目に入ったのは…。


その人の赤い目だった。


棺桶の中から若そうな男性の登場。


彼の名前は、ヴィンセントというらしい。


元タークスで、宝条ってヤツに身体を改造されてしまったんだとか。


その話を聞いて、正直、ふ~んって感じだった。


でもさ、なんだか気になってるんだよね…。


そいつは一回『眠らせてくれ』って言って、それ以上取り合ってくれなくなったけど、アタシ達が地下室から出て行こうとした時、棺桶から出てきて『お前達についていく』って、さ。


特に相談もなくクラウドがヴィンセントと話をして、一緒に旅をすることになったんだ。

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