第12話

「あぶなかったね」


「あぶなかったって…お前のほうが危ないだろ」


「何言ってんの。

クラウド…もう少しで殺されるトコだったんだよ?――ティファに」


「はァ??」


真剣な顔で言う彼女に、信じられないという様子のクラウド。


「…今日一日、アタシはティファのこと見てたんだよ。ずーっと!」


「だから?」


「もぅ…。

ティファ、昨日の夜、アタシ見たんだ」


ユフィは話しはじめる。


「ティファが台所で包丁を持ち出しているトコ。

そしてその包丁は、今…その袋の中にある!!」


自信たっぷりに落ちた箱を指さす。


「ま、まさか…」


クラウドは信じられないという顔をした。


「本人に聞きゃ分かるよ――そうでしょ?ティ…」


ぽろ…っ


『…ええっ!?』


二人はティファを見ると、彼女は目に涙をため、にらんだ顔をしていた。


「……違うに決まってるでしょ―!!」


どかっ


「きゃんっ」


怒りを込めて、ティファはユフィを突き飛ばすとそのまま地面に倒れ、彼女は気を失った。


「…ティファ…」


ティファの震えた肩をクラウドは後ろから見つめる。


「?」


ふと、落ちていた袋を見た。中には包装紙に包まれた箱。丁寧に開けてみると、そこには砕けたチョコレートがあった。

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