中編

第6話

「それじゃあ、今日はコスモキャニオンに行くぞ!」


「…」


外に出ると、クラウドとユフィは待っていた。


…予想はしていたけど、クラウドは今日は何の日か興味ナシだった。


まぁ、仕方ないか…。


ゴンガガを出て、バギーカーに乗り込む3人。前にクラウドとユフィ、そして後ろに座ったティファはふぅとため息をついた。


―渡せるか、不安になっちゃったわ…。


すぐに渡しておきたかったけれど、その余裕が朝にはなかったし、ユフィが近くにいたし。


チョコレートはまだ、荷物の中にある。


バギーカーに揺られながら、ティファはぼんやり海を眺めていた。


「…ゃん…」


「?」


誰かの呼ぶ声。

周りに人の姿なんて見当たらないというのに。


「おにぃちゃん…っ」


パシャンっ


水を切るような音。それは海からだった。


「おにーちゃーん!!」


イルカに乗った女の子――プリシラ。

彼女は、以前ジュノンで溺れてしまったのを、クラウドに助けられたのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る