第4話

「あっれぇ―?

ティファじゃん!何してんの―?」


ドキンっ


そのメンバーとはユフィだった。


誰にも内緒で来ていたため、ティファは驚き、背筋がピンッと伸びた。


――こんなトコ見られたら困る!バレたら困る!


そう思いながら、チョコが見えないよう庇いながら、ユフィのいる方に向きを変える。


「な、なに…?」


「…ヒィ!?

あ、あ…アタシ、何も見てないから!!」


「えっ!?

ちょっと、ユフィ??」


ダダダダ―…っ


ティファを一目見たとたん、ギョっと驚いた顔を見せその場を足早に逃げ去る。


「…あ」


置いておくのを忘れ、握ったままの包丁のせいだったらしい。


それに、わたし振り向いた時、きっと怖い顔してたんだろうな…。

誤解されただろうなぁ。


でも追いかけるわけにはいかなかった。事情を話さなければいけないし。


それよりも…。


クラウドにチョコをあげる人は、私以外にもきっといるよね。


ユフィの姿を見て、思い出した事。


ふと、エアリスの顔が浮かぶ。


「エアリスもあげるんだろうなぁ…」


彼女の存在は大きい…。


さっきまで浮かれていたティファだったが、グイと現実に引き戻され、消極的な彼女になってしまった。


「どうしよう…」


包丁を置いて、目を伏せる。


……今は、頭の整理がつくまで作業は進まなそうだった…。

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