第3話

「どうしたの、ティファ?」


と表情の変化に気づいたユフィが顔を覗き込む。


「え!?

いや…う、ううん!なんでもないの」


「…ふーん?」


納得はしてなそうだったが、それ以上問われなくて内心ほっとする。


とにかく――これ好機だわ!


――チョコに“キモチ”を込めて作ったら、クラウドに伝わるんじゃないかな…?


彼女の胸がトクントクンと高鳴っていた。


――その夜。

ティファはメンバーが寝静まった後に、こっそり部屋から抜け出してキッチンに向かった。


許可は昼の内に宿主に取っておいてある。


「よし♪

作るわよっ!」


テーブルに手作りチョコ用の材料を並べ、ティファは気合いを入れた。


…はずだったが。


「う~ん…」


早速頭を抱えてしまった。


それは、形と中身だ。


ワイン入りチョコ?…それとも?


クラウドが好きそうなのは何か?と、いう事ばかり考えてしまい、作業が全く先に進まないのだ。


「う~んう~ん…」


包丁(チョコを刻むための)を握り締めながら、あれこれ悩んでいる。


そんな時に、キッチンの明かりに気づき、近寄る一人のメンバーがいた…。

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