(テ)バレンタイン

前編

第2話

――私、

クラウドの事が好きなんだわ、きっと。


バギーカーから見える景色を眺めながら、ティファは考えていた。


六番街のウォールマーケット…コルネオの屋敷へ一人で行った時、女装してまで来てくれたクラウド。


…それがすごく嬉しかったんだ。


…―その時から…だと思うんだ。クラウドへのキモチに気づいたの。


でもね。


ふと表情が曇る。


ティファは言葉に出す前に、色々と考えてしまう性格だった。


今のように。


だから、自分から何か伝えるのも、自分の中で整理してから言うタイプなのだ。


…クラウドに、いきなり『好き』だなんて、ストレートだよね…?





「あら…?」


今日は“ゴンガガ”というところで泊まる事になった。


クラウドがその手続きをしている間、待っているティファはあるものに目をとめた。


それはカレンダーだった。


…明日、2月14日だわ。

ここんトコ、色々あって忘れてた。


「……」


ぼんやり見ていたティファだったが、徐々に何かを思い出した顔つきになって。


「――あ!」


明日って、バレンタインじゃない!

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