夏祭り・後編
第18話
「ねぇ、ソウマ!
そろそろ時間じゃない?」
マオが耳打ちをすると、「もうそんな時間か!」と少し焦ったようだった。
「悪い、トライハルトにヒルダ!俺たち準備があるから先に行ってる!」
「どこにだ?
というか、そんな話聞いていないぞ?」
「ワリィワリィ。
とにかくさ、この先に会場があるんだよ。そこで待ってる。じゃあな!」
「お、おいソウマ!」
急な話に、ソウマを呼び止めようとしたが、全員を引っ張って先にある、明かりが見える場所に行ってしまった。
ただ、仙女が「なぜわらわまで?」という言葉を口にしていたようだが?
「…皆さん、行ってしまいましたね」
「そのようだな」
急に2人なってしまうとな…。
「…もう少し見物していくか?」
「はい」
ソウマが主導権を取っている時より、ゆっくり見物ができた。
風鈴、金魚すくい、わたあめにリンゴ飴…。
「…本当、エルデのお祭りみたいですね」
「次やる時はリーベリアの色も出さないとな。これでは片寄りすぎだ」
「え?」
驚いたようなヒルダの顔。
しまった…。いつもの調子で批判をして、ヒルダは嫌に思っただろうか?
「次もあるんですか?」
しかし彼女は目を輝かせて嬉しそうな顔をしていた。
「あ…いや。
ああ、そうだな。やる事があれば…だが」
「ふふ。
きっとありますよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます