第9話

◆霧谷編◆






「帰るのはもう少し後でもいいんじゃないか?」


支度をはじめる西園寺、蒼真、蛭田。


三人を俺は引き止めていた。



「う…ん…」


ソウマは頬をカリカリと掻いて、迷っているようだった。


「甘いな」


と呆れたように言うのは西園寺しかいない。


「こちらの世界にもう少し居たいとは思いますが…リーベリアも同じ時間が流れています。」


「俺達がこうしている間にも、リーベリアに危険が迫っているかもしれん」


「……そうか」


久しぶりの再会。

訊きたい事や話したい事もあった。


少し、寂しいと感じるけど…。


「うん、そうだな。

じゃあ、一段落したらこっちにまた来いよ」


「ああ!もちろんだ」


俺の言葉に真っ先に応えたのはソウマだ。


「約束だぞ」


「ああ!」


“誓い”のように。霧谷と蒼真は握手を交わす。

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