卒業式・後編
第7話
◆椎名編◆
「わぁ…っ!」
「さっすが!
卒業式にピッタリね!」
式が終わり、教室では最後の先生の話を聞いた後、あたしとキリヤ、クレハさんとソウマの4人は光風館に向かうことにしたの。
その道中にある桜の木が、あたし達を祝うように花びらが舞っていて、思わず声に出しちゃった。
「ふぁぁぁぁぁ~」
…そんないい雰囲気ブチ壊す声。
そんな真似する奴は一人しかいないわ!
「キぃリぃヤぁぁ~~っ!」
ジロリと睨んで犯人を見た。それにあまり怖じ気づく様子もなく
「だって…仕方ないじゃないか。式とか先生の話って退屈なんだよ」
霧谷はあくびをかみ殺しながら話す。
「…もう!」
キリヤはいつだってそう!
リーベリアにいた時は、結構頼れる奴だったのになぁ…元の世界に戻ってきた途端、ここの調子に戻るんだもん。
でも、そんなキリヤをあたしは変わらず好きでいるのよね~。
………って、
そ、そんな話は別にいいわよね!
「そういえば会長、卒業式にも来ていなかったわ…」
呉羽がポツリとつぶやくと、その隣を歩く蒼真は「心配ねぇよ」と気にしていない様子。
「え?」
「光風館に行けば、アイツは必ずいる」
「…そっか」
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