第12話
「そうだよ! その事に決まってるだろ!!!」
いちごくんは、キレて答えた。
「みかんちゃん、説明してくれる?」
パパは、みかんちゃんをチラッと見て言った。
「うん、分かった……」
みかんちゃんもパパをチラッと見返して言った。
そして、みかんちゃんは続けた。
「実は、いちごくんが私の事を羨ましがってるの」
「いちごくんは、赤よりオレンジ色が好きで、形も三角より丸が好きで、おまけに柑橘系の匂いまで好きだって言うの……」
「そうだよ! みかんちゃんが羨ましいんだよ!」
いちごくんが、みかんちゃんをにらみつけて言った。
「ねぇ、いちごくん、“桜梅桃李”って言う言葉を知っているかい?」
いちごくんとみかんちゃんのやり取りを見かねたパパが言った。
そして、続けた。
「“桜梅桃李”って言うのは、サクラ、ウメ、モモ、スモモが、それぞれのオンリーワンの花を咲かせて、他人と比べる事なく、自分自身を磨くのが大切だと言う意味なんだけど」
「私も含めて皆、“隣の芝生は青く見える”もので、自分より他人の方が良く見える心理が働くんだよね」
「ここで言えば、みかんちゃん、りんご娘、キウイさん、そしていちごくん、色も形も匂いも皆違うでしょ、だから他のものと比べるのではなく、それぞれの”唯一無二“の個性と言う花を咲かせられるように、日々の努力を怠らない事が大事なんだよ」
「それに、皆それぞれ役割と役目があるから、必要のないものなど無いんだよ」
みかんちゃんもりんご娘もキウイさんも、そして
いちごくんも、パパの言葉に感銘を受けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます