第11話

「ねぇ、ところで皆、お願いがあるんだけど聞いてくれる?」


みかんちゃんが、皆に言った。


「お願いって何?」


パパが代表して聞いた。


「私だけで、いちごくんと会うのが何だか心細いから、皆も一緒に来て欲しいの…… ダメ?」


「いいよいいよ、困った時はお互い様だから」


りんご娘が、胸をぽんと叩いて答えた。


「私もいいですよ、別に急いでないので」


キウイさんも賛同した。


みかんちゃんは、チラッとパパの方を見た。


「勿論、行くに決まってるじゃないか!」


パパは、笑顔で答えた。


「わーーい! 皆大好き!」


「では、私が道案内をしますので、皆さんついて来て下さいっ」


そう言って妙に張り切るキウイさん。


「はーーい!!!」


良い返事をする一同。


そして、大きな橋の下に辿り着いた。


「あっ! いちごくんみっけ!」


みかんちゃんが、いちごくんを発見した。


「…………」


しかし、いちごくんはみかんちゃんに、反応しようとしません。


「どうして、無視するの? 突然居なくなるし! 探したんだからね!」


みかんちゃんは、少しキレ気味に言った。


「…………」


しかし、またしても無反応ないちごくん。


痺れを切らしたパパが、問いかけた。


「ねぇ、いちごくん 部外者の私が言うのも何だけど、黙っていては分からないよ」


パパは続けた。


「いちごくんとみかんちゃんの間に、何かあったの?」


「あっ! もしかして、あの事で怒ってるの?」


みかんちゃんが、思い出したかのように答えた。

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