第10話

ネズミの親子達と入れ替わるようにしてーーーー


「すみません、ちょっとお尋ねしたいのですが宜しいですか?」


通りがかりのものが、言ってきた。


「なに? あなた誰?」


みかんちゃんが答えた。


「あのーー 私は、キウイと言うものですが、道に迷ってしまったので、お聞きしたいのですが」


「そうだったんだ、私はみかん、こっちがりんご娘で、隣がパパ、宜しくね!」


「はいっ、コチラこそ宜しくお願いします」


「それで、何処に行きたいの?」


「マンゴーさんの家に行きたいのですが」


「ゴメン…… 私じゃ分からないわ」


謝るみかんちゃん。


「マンゴーさんの家なら、知ってるよ」


りんご娘が、割って入ってきた。


「本当ですか? 教えて頂けますか」


「うん、いいよ」


「助かります」


「ここを真っ直ぐ行って、左の角を曲がって五本目の路地を右に曲がって、かなり真っ直ぐ行ってから、七つ目の信号を右に曲がって、三つ目の交差点を左に曲がって、二股の道の一方通行を抜けた所に、大きな桜の木が見えるので、その横の坂道を登った所に、マンゴーさんの家があるよ」


「あっ…… ありがとうございます……」


「いいよいいよ、困った時はお互い様だから」


りんご娘は、胸をぽんと叩いてそう言った。


「ところで、随分と道に迷ってきたみたいだけど、いちごくん見かけなかった?」


そこに、思い出したかのようにみかんちゃんが、キウイさんに尋ねた。


「見かけましたよ」


「本当に!? 何処に居たの?」


「あそこ見える大きな橋の下です」


「ありがとう! キウイさん!」


「いえいえ、こちらもマンゴーさんの家を教えて頂いたので」


「よーーし! いちごくんの所に行くわよ!」


気合いの入るみかんちゃん。

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