第9話

「ふうーーーー!」


大きな溜息をついて、パパはその場に座り込んだ。


すると、空から次々にネズミの子供達が降ってきた。


「ちゅっちゅっちゅっちゅっちゅーー!!! かあさーーん!」


姑獲鳥に捕まっていたネズミの子供達が、ネズミの嫁の所に集まって来た。


「あなた達、無事だったのね!」


ネズミの嫁は、涙を流して子供達を抱きしめた。


そこへ、ネズミの旦那も加わりーーーー


「大切な子供達を助けて頂き、本当にありがとうございました!」


ネズミ達は、親子共々パパに深々と頭を下げてお礼をした。


「あぁ…… 無事で良かった」


パパは、少し照れ臭さそうに言った。


「みかんちゃん、りんご娘、食べようとしてゴメンな……」


ネズミの旦那は、バツ悪そうに謝った。


「ううん、もういいよ」


何処が首なのか分からない首を左右に振って、みかんちゃんが言った。


「みんな生きる為に必死だもんね」


続けてりんご娘が言った。


(うーーん)


考え込むパパ。


「そうだ!!!」


何かを閃いたパパ。


そして、パパがネズミの旦那に、何やら提案をして耳打ちをした。


「それは、名案だな! 誰も傷つかないし! 試してみるよ!」


ネズミの旦那は、納得した様子でパパに感謝をした。


パパが、何を提案したのか分からないが、これで全てが丸く収まった。


ネズミの親子達は、パパに再び深々と頭を下げて去って行った。

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