第2話

ある日の日曜日の昼下がりーーーー


いつもなら、ななの部屋から絵本を読む大きな声が聞こえてくるのだが、今日はやけに静かなので心配になったパパは、ななの部屋へ様子を見に行った。


トントン!


部屋のドアをノックしても応答がなかった。


「なな、入るよ!」


余計に心配になったパパは、そう言ってドアを開けた。


するとそこには、両手にクレヨンを持ったまま、落書き帳に覆い被さるように、うつ伏せの状態で大きなイビキをかいて、眠っているななの姿があった。


「なな! なな!」


相当深い眠りに入っているのか、声をかけてもピクリとも動かない。


徐ろに落書き帳を見ると、何やら絵を描いている途中のようだった。


(絵を描いている途中で寝落ちしたんだね)


パパは、微笑みながらタオルケットをななに掛けて部屋を出ようとした。


(うん? 待てよ)


パパは、少し気になった事があったので、もう一度落書き帳を見た。


(やっぱりそうだ!)


ななが描いていたのは、ただの絵ではなく絵本だったのだ。


何故なら、そこには絵と文章があったからなのでした。


パパは、勝手に読むのは娘と言えども心苦しく罪悪感があった。


しかし、それ以上に五歳の子供が描く絵本と言うものに興味と好奇心が湧き、抑えられない衝動に駆られて読んでしまった。

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