失ってしまった僕の星④

 それを見たエステレラは涙目で、僕をベッドに座らせ、傷の手当をしてくれた。



 成長したエステレラはもっと可愛くなった。



 僕の大好きな赤い瞳は薔薇の花のように綺麗だったし、腰まで伸びた赤茶色の髪はとても愛嬌がある。

 いつも笑顔で、優しさが溢れていて、小さく華奢なのに安心感があって。



 細くしなやかな手はやはり可愛らしく、僕を心配する彼女をとても愛おしい…と感じた。



 そうか。



 僕は彼女が愛おしいんだ……



 「エステレラ…あの雪の日に君に出会えて良かった。本当に。」



 自然に見上げた彼女の頬にそっと触れる。

 次第に頬を赤くさせたエステレラは思いを溢れさせるように、こちらを見つめ返した。



 「こちらこそだよ、ローアル。私を助けてくれて、私を…あの時見つけてくれて、命を救ってくれて、本当にありがとう。」



 「ううん、こちらこそ…」



 僕と出会ってくれてありがとうエステレラ。

 君がいなければ僕はきっと死んでいた。



 君といると、僕は自分が生きていても良いんだと感じることができた。

 僕が必要だといつも君は言ってくれる。

 生まれてきて良かったと…君はそう思わせてくれるんだ。



 あの日君を見つけられて、本当に良かった。

 君と暮らすこの日々は、僕にとってかけがえのない宝物。



 「ねえ、エステレラ…僕は………」



 僕は君が好きだ。



 いつか君と結婚したい。

 君はそう言ったら受け入れてくれるかな…?



 お金を貯めたら二人で身分を買って、平民になって、小さな家を買って幸せに暮らしたい。



 けれどその時も、真っ直ぐなエステレラに見つめられたのが恥ずかしくて、僕は声に出して告白することが出来なかった。


 

 本当に幸せだった。あの日までは———



 『お父さま、わたくし、この子を飼いたいわ。』



 この世で最も残虐な悪女、エスピーナによって僕らは引き離された。

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