ローアル・Side story・1
失ってしまった僕の星①
◇◇◇
君を殺した憎きトルメンタ帝国は、最後にこの僕の斬首によって滅びる。
人々を虐げ、贅沢を尽くし、欲しい物を手にいれるためならばどんな手段も厭わず臣下も使用人も民も残酷に殺した悪女、エスピーナが先に斬首されて死んだ。
残念ながらエスピーナのために流す涙は一滴もない。むしろその首に唾を吐き、腹を抱えて笑い転げたいくらいだ。
公開処刑広場で、僕は自分の番をじっと待つ。
「血も涙もない恥晒しの皇子!!
先に死んだ悪女と一緒に永久に滅びろ!」
「死ーね!死ーね!」
憎しみの目をした国民は暴徒と化して僕に石を投げつける。
…これでいい。
これで、ようやく終われる。
僕の復讐も完成する。
唯一気がかりなのはあの魔術師が滅亡を前に逝ってしまったことだ。でも…もうどうでもいい。
死刑を望む国民の声が鳴り止まない中、僕はじっと愛しい彼女のことを想い浮かべていた。
もし…
もしも生まれ変われるのなら…
もう一度彼女のそばに——————
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます