名案~後編~

第9話

~駅構内~


私「じぁな!気を付けてな!」


合田「おう!お前もな!」


挨拶を交わした後、各々の帰る電車に乗り分かれる二人。



~電車の中~


私は少し飲み過ぎたようである。


頭がガンガンする。


合田と呑んだ後は、いつもこうだ。


わかっているけど、ついつい…。


座席に座ったとたん、睡魔が勢い良く襲って来た。


寝ると起きれ無くなりそうなので、必死に睡魔と戦い続けた。


周りを見ると―


睡魔に敗れたサラリーマン達が気持ち良さそうに眠っている。


そんな中―。


「そうだ!」


イビキの音でうるさい車内に一筋の声が響き渡る。


声の主は私である。


それも立ち上がって叫んでいた。


ピンとひらめいたのです。


名案が―。



自主制作映画を撮ろう!と―。


自殺をテーマにした。


これだ!


これが、今の私に出来る事だ。


そう思った瞬間、睡魔との戦いを辞めてしまった私でした。


ガタン ゴトン。

ガタン ゴトン。

ガタン ゴトン。


「お客さん!お客さん!」


何やら体を揺さぶられて、声が聞こえる…。


私「あっ!」


車掌と目が合ってしまった。


どうやら終点まで乗り過ごしたようだ。


慌て乗り直そうとしたら―。


車掌「もう電車は、すべて終了しましたよ。」


やってしまった―。


飲み代でお金が飛んでしまい、タクシーで帰る余裕がなかったので、仕方なく始発を待つ事になったのは言うまでもない…。

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