第92話

何も考えず歩き続け気が付くと学に告白された公園に来ていた



販売機で暖かいカフェオレを買いベンチに腰掛けた



「ここで初めて手を繋いだんだよなぁ?」



忘れたいと願っていた学との思い出が走馬灯の様に浮かんできた



初めてのデート、初めてのキス、初めての喧嘩、初めて抱き合った夜・・・



「忘れたくないっ」



いつの間にか涙が零れていた



手で顔を覆い俯いていたら忘れる事の出来ない彼の香りが私を包んだ

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