第59話
泣き止んだ私を抱きかかえて
「お家に帰ろう」と、耳元で囁いた
大泣きしたわたしは疲れてそのまま眠ってしまった
眠ったまま川部邸に到着したわたしを出迎えたのは・・・
わたし以上に泣き腫らした顔の浩介さんと真智子さんだった
わたしを見るなり怖い顔をして、そして直ぐ涙ぐみ・・・
「葵ちゃん…心配した。でも、ちゃんと帰って来た」
「葵ちゃん…葵ちゃん、泣く事が出来たのね」
二人ともわたしの手を握り締めて何度も頷いていた
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