春風

Spring breeze

第80話

手を繋いで帰って来た



隣には蘭ちゃん



それだけで、俺の心は穏やかになる



「ねぇ?さっきの話し聞いてもいい?」



「うん。ちゃんと聞いて欲しい」



俺はこの数日間の事を話した



俺との事で言われてた事や、俺の曖昧な態度、その事で居なくなったんじゃないかと思ってた事、社長とのやり取り、全て話した



「…ホントにイヤな思いさせてごめんなさい」



「…う~ん。今更、言われた位じゃどうって事ないからなぁ…高校の時の方が容赦なかったし。でも、不愉快になったのは事実」



「…うん。俺、何も考えてなかった。ホントに蘭ちゃん以外の事はどうでも良くて…実際、覚えてないんだ。相談に乗ったのは覚えてるけど、何人も居たし。2人っきりとかあり得ないし。それに…言われるまで日向の事も思い出せなかった…蘭ちゃんの友だちなのに、ごめんね」



「…それは、ひどいね…」



蘭ちゃんは苦笑いしながら呟いた

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