第80話

恵side



今でも覚えてる・・・あの子の優しさ、強さ・・・儚さ・・・



あたしが紫音の母親・・・

月井音羽 (つきいおとは)と出逢ったのは高校の入学式だった



音羽はとても柔らかな雰囲気で綺麗な子だった



でも、どこか儚げで憂いを秘めていた



あたしはというと…どこから見てもヤンキー女。間違えても近づく事などないと思っていた



それを覆したのは音羽だった



入学式の後、中庭をブラブラしてたら音羽がいきなり



「//お友達になって下さい」



真っ赤な顔して手を差し出してきた



あたしは



「あ~と・・・誰かと勘違いしてない?」



と、思わず言っていた



「//いぇ。。。立花 恵ちゃんですよね?」



出した手を両手で握り締めながらあたしを見つめてきた



「…名前は合ってるけど・・・何で、あたし?アンタならもっと普通の子が良いんじゃない?」



拒絶してる訳じゃないけど思わず言ってしまった



「??・・・立花さん、普通の女の子ですよね?」



などと、天然を炸裂させてくる・・・女の子って・・・



「ぃや~・・・まず、普通じゃないかなぁ?・・・それに、女の子って・・・柄じゃないでしょ?」



「立花さんは女の子です!男の子じゃないもん!!」



「はぇ?」



「どこから見ても普通の女の子だもんっ」



これが、あたしと音羽の出逢い

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る