第50話
「オジサン・・・おなかすいた・・・」
「チッ・・・その辺にあるもん食っとけ!」
「もう、ないよぉ?」
「ったく・・・じゃあ我慢しろ!!」
「ヒックっ・・おなかすいたぁ・・っヒック」
「うるせぇガキだな!!」
ドゴっ
「うわ~ん・・・いたいよ・・・ぅわ~ん・・・」
「泣きやまねぇと、ぶっ殺すぞ!!」
「・・・ひっ・・・ぅッく・・・」
「テメェ・・・今度生意気な口利きやがったら承知しねぇぞ・・・」
~~~~~
それから私はどんなに辛くても我慢した
小学校に行ける様になったのは、それから半年後だった
~~~~~
「しおんちゃん、あそぼっ?」
「・・・」
「しおんちゃん?」
「・・・」
「なんで、へんじしないの?」
「・・・」
「センセー?しおんちゃん、おへんじしてくれないよぉ」
「紫音ちゃん?どうしたの?」
「・・・」
「紫音ちゃん?」
「・・・」
「紫音ちゃん?お話出来ないの?」
「・・・」
「センセイ。しおんちゃんオハナシするよ。ね?」
頷く
「紫音ちゃん?先生にお返事してくれる?」
「・・・」
「・・・先生とはお話し出来ない?」
「・・・」
「小夜ちゃん・・・紫音ちゃんに何かお話してみてくれる?」
「はい。・・・しおんちゃん、オハナシしたくないの?」
頷く
「イヤだって・・・」
「・・・紫音ちゃん・・・先生と一緒に来てくれる?」
「・・・」
~~~~~
その後、保健室に連れて行かれ色々と聞かれた
私はどうしても話す事が出来なかった
伯父に連絡をし病院へ連れて行かれ心療内科で詳しい検査をした
そこで、『場面緘黙症』という病名が付いた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます