第41話

頭を庇う様に蹲る



「紫音?・・・ごめん。怖がらせて・・・」



抱きしめようと手を伸ばした時



ハッとした



もしかして・・・紫音の虐待は暴力だけじゃなく性的虐待もされてたのか?



さっき、キスは初めてだと言ってた。でも・・・身体は触られたと・・・



俺はこんな時、どうすればいいんだ・・・



怯えてる紫音に何をしてやれば・・・



俺の言葉で傷ついたんだ・・・



俺の態度が伯父さんと被ってパニックを起こしたんだ・・・



俺の事も怖くなったのか?



未だに蹲り声を出さず震えてる紫音を俺が抱きしめてもいいのか?



このまま1人で震えさせたくない



ここには怯えるモノなど何もない



俺は覚悟を決め紫音を抱え込む



「!!!・・・!?!!!」



思った通りパニックで俺から逃げようとする



「紫音?紫音!ここには怖いモノは何もない。俺を見て・・・紫音!」



声をかけても聞こえてない



「!!!!!」



俺は無理やり紫音を抑え込んだ



上に跨り両手を頭の上で拘束する



それでも声は出さず足をバタつかせ逃げようとする



足も挟み込み動けなくする



尚も身体を捻り抜けだそうとするが逃がす訳にはいかない



その間に何度も俺の方を向かせようとするが顔を横に背け見ようとしない



俺は無理やり顔を上に向かせ至近距離で



「紫音・・・好きだ!・・・俺が見えてる?・・・紫音?・・・紫音?・・・」



何度も呼びかける

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