第22話

「遅くに悪い・・・ちょっといいか?」



俺は会社の同僚(次期社長)で親友の桐谷 智に電話をした



「あぁ。珍しいな?こんな時間に」



「あぁ・・・ちょっと報告と頼みがあって・・・」



「なんだ?」



俺は紫音の事を伝えた



「・・・そうか。渉が決めたんならそれでいい。で、頼みはなんだ?」



「紫音を彩ちゃんの部署に配属させて欲しい。確かに話す事は出来ないと思う。だが、誰よりも人の心を分かると思う」



彩ちゃん・・・智の奥さんで社内のトラブルなどのカウンセリング・人事配置適性などあらゆる問題解決の責任者として特別室、室長をしてる



「・・・俺の一存では決められない。一度、彩に会わせてみないか?」



「・・・分かった。明日、紫音に話す。彩ちゃんにも話しておいて欲しい。病気の事も」



「分かった。渉・・・心配はいらない。彩は全て受け入れる。お前も知ってるだろ?」



「あぁ。だから頼みたいんだ。これ以上、紫音に傷ついて欲しくない。力を貸してくれ」



「フッ・・・彼女が目を覚ます前に戻ってやれ。話しが終わったら連絡しろ」



「あぁ。じゃあ」



俺は電話を切りすぐに寝室に戻る



ベッドには躰を小さく丸めて眠る紫音の姿



俺は起こさない様にそっと横に潜り込み抱き寄せた



無意識に俺に擦り寄り、俺の胸の辺りのシャツを掴む



紫音の静かな寝息を聞きながら俺も夢の中に落ちていった

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