第20話

俺は初めての気持ちをどう伝えれば良いのか分からない



でも心が紫音を欲してる



紫音に伝わる様に両手を握り目を見つめ真剣に伝える



暫くすると



「・・・だから・・安心出来たの」



「ん?」



「渉くん私の目の奥をちゃんと見てくれるから。だから・・安心したの」



最初から・・・俺が、俺自身が気付く前から本能は悟っていたのか?



「俺の気持ち、紫音に届いた?」



「うん。ありがと・・・私、病気で困らせるかもしれないけど・・・でも・・・渉くんの側がいい」



「ふふっ・・紫音?病名はあるかも知れない。でも俺は紫音の個性だと思う。俺には困る事なんてないから」



「・・・初めて・・・自分を分かって欲しいって思った・・・」



俺から目を逸らさず涙を流してギュっと手を握る



俺には『何処にも行かないで・・・側に居て・・・』そう聞こえた



心に響いてきた・・・



君の声・・・

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