第18話

両親の事故が紫音の心を覆い尽くし、大人たちの暴言の数々が心を壊し話す事が出来なくなっていった



小学校に入学してすぐに学校の先生が異変に気付き病院へ行くと『PTSD』だの『失語症』だの言われた



最後に診断されたのは『場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)』



一部の生活の場面では、話したり感情を出す事が出来ないという



それでも子供の頃は特定の人とは話せたらしいが小学校を卒業してからは全く話せなくなった



就職も唯一、受かったパンの製造会社だったが不況により事業縮小



真っ先にリストラの対象になった



そして今日、俺と出逢い話す事が出来た事に驚いたらしい



何年か振りに人と話したと、嬉しそうに話す姿は子供の様だった

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