第17話

聞かせてくれた紫音の過去はとても辛く苦しくなる事ばかりだった



紫音の両親は交通事故で亡くなったらしい



小学校の入学式の日にお祝いをする為に家族三人で車に乗り、近くのファミレスに向かう途中で対向車と正面衝突、後部座席に居た紫音は周りに居た人達の手で先に助けられた。両親は車体に挟まっていて救助を待っていた



その時、車が炎上し両親は炎に包まれ亡くなった



それを目の当たりにした



それだけでも辛い出来事なのに両親の死後、紫音を誰が引き取るのかで大人たちの押し付け合い



そんな時、1人の伯父が両親の保険金を目当てに紫音を引き取った



でも、中学に入る頃にはその保険金も底をつき虐待に近い扱いを受け、卒業の頃には『いつ出て行くんだ』と顔を見る度に言われ始めた



もちろん高校に進学する事など許される筈もなく就職する事を知ると『今までの恩を返せ』と働いたお金はすべて伯父に取られた



そして会社をクビになると『金にもならない奴は出て行け』と無一文の状態で追い出された

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