第6話

えっ?俺は戸惑う気持ちとなぜか柔らかくホッとした思いがした。



「あたしの・・・声聞こえる・の?」



「。。。あ・たし・・・話・せて・る・・・」



そう囁いたかと思うと急に泣き出した・・・



声を殺して、子猫を抱きしめたまま・・・




俺が肩に触れると「ビクっ」として泣き顔のまま俺を見た。



「・・・」



ダメだ・・・声が出ねぇ・・・



少し赤くなった瞳



少し赤く染めた頬



赤く潤んだ唇



俺は視線を逸らして子猫に話しかける。



「寒くないか?お姉ちゃんに抱っこされてるから寒くないか?」



気を逸らしてるつもりでも彼女が気になってしまう。



「・・・ホントに・拾ってくれ・るの?」



彼女は涙を流したまま俺を見つめ続ける。



「・・・あぁ。俺が可愛がってやるから、心配しなくていい」



その言葉に安心したのか子猫に優しく微笑みかける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る