第16話 執着
今、凛子の中には
いろんな葛藤があった
まずは小さなことから一つずつ
決めていく
必要があると思っていた
身近な事では花本さんと
お別れする事だった
不思議なもので
そういう気持ちに
凛子の意識がなると
まるで必然的に
出来事が起きたかのように
花本さんと大喧嘩をする
展開になって行ったのだ
凛子の意識が変わると
本当に物事が
変わってしまう…
そのきっかけをくれたのは
宇宙だった
宇宙に先日相談して
『凛子自身が大切にしたい人には
どうしていく自分なのか』
ハッキリ再確認出来たからだ
凛子の中で
花本さん自身の事を大切に
思っていない事をどこかで
分かっていながらも
気楽さでちょうどいい加減の
甘さから抜け出せないでいた
―もう少し遊んでいたい―
そう思っていた凛子が
居たのも事実だった
でも何の力なのか?
わからないが…
凛子が現実と
向き合わざる得ない
流れにどんどんなって
行ったのだ…。
ある時、凛子の友人が
こんな質問をして来て
くれたのも
夫との結婚生活を
改めて見つめ直す
きっかけになったのだ
友人は…
凛子の夫の話を
聞いていて
物凄く疑問に思ったことが
あると言ってきた
それは
こんなに自分勝手に
遊んでばかりの旦那と
子供も居ないのに
なぜ?離婚をしないのか?と
聞かれた…
そして…
本当にそれは
愛なのか…と
尋ねられた…
凛子はその友人から
言われた言葉が
物凄く心に何十回も
やまびこのように
脳裏で響き渡り
繰り返されていた
そして辿り着いた答えが…
愛ではなく…
執着であることに
気付いた…
いや…もう前から
分かっていたのかも
しれない…
だけど…
気づかないフリを
していたんだと思った
宇宙の言葉の…
『自分が本当に大切にしたい
相手には
自分の素直な所を
さらけ出す』
それと友人からの言葉の
愛ではなく…
執着…。
凛子は夫の事を
本当の意味で大切に
したい相手ではない言動を
今の自分はしている事を認めることにした…
さらに愛ではなく…
執着しているだけだと
認識することにした
もう凛子の中では
誤魔化しが
効かなくなっていた
そんなある夜…
夫が意味深なコトを
言ってきた…
俺には2つの顔がある
なに?2つの顔って…
いきなり
何の話?って
凛子は不信な気持ちで
尋ねた
一つの顔は、
本来の自分を丸ごと
出している顔で
それは妻の私に出している
もう一つの顔は
相手の顔色を見ながら
上手くやってのけている顔
適度な気遣いも出来ている顔それはネットの友人達に
そうしていると…
夫は凛子に説明したのだった
凛子は即答で
じゃあ私は
適度な気遣いが
出来る顔の方がいいと
夫に真顔で伝えた
夫はかなり
驚いた表情で…
なんで?今さらになって
そんな事を言うんだ!と
激怒した
凛子はあなたの方が
2つ顔があるんだ…と
いきなり
言ってきたんでしょ?
だから私に向けて欲しい顔を
言っただけよ…と
もう何を話してても
夫が何を考えていて
理由のわからない事を
言っては激怒しているのか?
その訳を考える事も
凛子は疲れていた
凛子は気持ちが
抑えられなくなって…
かなり強い口調で
夫に叫んだ
私達は夫婦なのに
ふたりって
思えた事がなかったわ
夫は…
はぁ?
二人じゃないか!
あなたが言ってるのは
人数が二人って事を
言ってるんでしょ?
当たり前じゃないか…。
そこがあなたとは全く
結婚観が違うと
思い続けて来ている所よ!
ー俺は誰といても
孤独で1人なんだ…
そういう人間なんだ!ー
その言葉を夫から
ハッキリ聞けた事で
なんか凛子は離婚を
する決心がついた
一度、決断した凛子を
止められる人は
居ないくらい…
凛子は着々と…
離婚へ向けて、真っしぐらに
進んで行ったのだった
両親にも、周りにも
泣き顔を見せられない
凛子だった
それは凛子が
離婚を迷っていると
思われたく無かったからだ
離婚の話がどんどん
深刻化してきて
周りにも本当の本音を
打ち明けられない凛子は
正直…行き詰まっていた
そんな気持ちを宇宙に
lineで書いて
聞いてもらったり
勇気づけてもらったりした
宇宙は凛子に
自分のことをとにかく
『信じるんだ!!』
と言ってくれた
凛子はこの離婚を機に…
初めて自分のことを
『信じる!!』ということを
宇宙から毎日のように
『信じろ!』『信じろ!』
と言われて…
強い良い暗示がかかったのだ
宇宙の熱い念の
パワーは凄まじいのである
宇宙には
幾度なく支えてもらったり
勇気づけてもらいながら
ここまで生きて来ていると
凛子は改めて
感謝したのだった
一年後…
無事になんとか…
凛子は離婚をする事が
出来たのだった
しかし…
一難去ってまた一難…
バツイチ独身に
なった途端…
既婚者のえじきに
なりそうになるとは
思ってもみなかった
凛子であった
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