第2話 不思議な出逢い
頭は完全に冴えてきている
凛子だったのだが、驚きの初めましての挨拶をされて、凛子はびっくりしてしまい、思考がフリーズを起こして、いつもの瞑想大好き凛子になってしまった。
なんのへんてつもない普通と言えば、普通の風貌の会社の人なのに…その雰囲気からは
想像もつかないような、発言をするこの男性に、惹き込まれて行くのを感じた。
一方その男性もまたこの女性のことが、前から気になっていた。いつ、話しかけようか?迷っていたのだ。
ようやく声をかけられる瞬間が来たので、勇気を出して挨拶からしょうとしたのだが…
自然な本能で表現したものの、彼自身もまた自分の口から出た言葉に、驚いてしまった。
『初めまして、山川さん、僕はアンドロメダ星から来た宇宙人なんです。』
僕は…何を言ってるんだ…。
その男性もまた自分が自分でない、何かに突き動かされたような、不思議な感覚を感じていた。
男性はしまった…僕は何を言ってしまったんだろ?
こんなこといきなり初対面で言われたら警戒されるに違いない…。
やばい…。
これではおかしい人だと勘違いされてしまう…。
不安と困惑が入り混じる。
なんで?僕はあんな言葉を
発してしまったんだろう?
そんな時、凛子はこの男性が、宇宙人だといきなり言うので、かなり驚いてしまっていた。
『えっ?宇宙人?』
『どういうこと?』
凛子の脳裏の中でこの言葉が、何十回も繰り返し自問自答されている。
その男性もまたかなり困惑していた。その女性からなにを
言われるんだろうって、返答にドキドキ不安になってしまった。
『彼女はなんて?
言ってくるんだろ?』
凛子はこの男性が『宇宙人』だと言った、この表現に驚いて、心を動かされたのでは
なかった。
この日本に
凛子と同じ『宇宙人』だと
思っている人が居ることが
嬉しかったのだ。
凛子はずっと孤独で寂しかった。この地球という惑星に生まれた子供ではなく、別の惑星に生まれるべき子供だったのに、何かの手違いで地球に迷い込んで来たんだと、ずっとずっと、ひとり思い悩んでいたのだ。
だからずっと凛子の心はいつも空洞で、そこに何かが欲しくて求め歩いていた。
具体的にはそれがどのようなものを求めているのかは、
まだその頃の凛子には、分かってはいなかった。
しかし、この男性と会ってから、凛子の中で不思議な感覚を覚えているのは確かなのだ。
これは凛子だけが、感じている事なんだろうか?
あーまたいけない。
私ったら瞑想にふけってしまった。
どのくらい時間が
経ってしまったんだろう。
割にいつも丁寧にすぐ即答できる凛子なのに、この男性にはなんだろう?
つい…。
思いにふけってしまう…。
まるでドラマの中の回想シーンみたいな自分になってしまう。
現実と空想の世界の境界線が分からなくなってしまいそうになる。
あまりにも何も返答も、リアクションもない山川さんに、
その男性は不安と苛立ちが
交差してきた。
『あのう…山川さん・・・
とその男性が言いかけたら…』
その男性の言葉に凛子の声が
おおいかぶさる勢いで発してきた。
ずっと黙り込んで物静かだった山川さんからは、想像もつかない様なかなり熱量の高い
まるで魂の叫びのような言葉だった。
その男性は山川さんからの言葉を聞いて、体中に電流が流れるぐらいの衝撃を感じたのだ。
山川さんって
一体何者なんだ!!
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