〜ツインレイ〜凛子と宇宙の魂のふたごちゃん物語

勝美 あい

第1話 いつもと違う始まり

凛子はいつもどこかで

魂のふたごちゃんって存在を

探し求め歩いていました。


この人かな?

あの人かな?って


でも…

結局違ったなぁ…って

思いながら過ごしていました。


それでもなかなか

諦められず

模索し続けては

はぁ~って

ため息をついてはの

繰り返しの日々


そんな凛子に

思わぬ出逢いが

待ってるなんて…

その頃の凛子には

想像もついていませんでした


凛子はどこに勤めても

人間関係で

うまくいかず


なぜか?

あちこちで

いじめられたり

異常に嫉妬されることで

嫌がらせを受けまくったり

散々な人生を

送ってきていました


そんな時

電車の中のある

フレーズに

目がいったのです

そこには

こう書いていました


『考えず飛び込め!!』


えっ?

考えずに

飛び込め?


こんなに考えて

就活して

凛子なりに

見極めて

いるつもりなのに…


考えずに飛び込んで

応募してしまったら

それこそ

最悪な仕事にしか

つけなくなりそう…


って思ったものの

凛子は、もう

色々自分なりに

思いついたことは

全てやり尽くしていた


一か八か?

勝負を駆けて見るか?


どうせ今もう

どん底な状況なんだから

あとは

上がるしかないもんね!


こうなりゃ行動だ!

凛子は思い立ったら

吉日タイプである


派遣会社へと

足早に向かった


そして凛子の担当者に

今すぐ紹介して

もらえそうな会社を

お願いした


担当者は

私がいつも希望している

職種とは違うので

どうかな?って

思いながら…


あるにはあるんですが…

事務系ではなく

肉体労働が八割の

仕事なのですが

大丈夫ですか?

と少し…

申し訳なさそうに

教えてくれた


いつもの凛子なら

即!断っている案件

なのだが…

ここはフレーズの通り

『考えず飛び込む』

事にした


数日後、面接に行った

面接先の会社の

人事担当の人が

質問してきた


『今まで事務系で

 肉体労働経験が

 無いようですが

 かなり重たい荷物とかを

 倉庫に運ぶ仕事ですが

 大丈夫ですか?』


凛子は『はい!大丈夫です』

と明るくハッキリ答えた


すると…

次にまた質問された


『山川さんを指導する者は、今まで、何十人と派遣社員と上手く行かず、周りの皆んなからも怖い人と言われているのですが、大丈夫ですか?』


なんと…

今回の就職先は

今まで未経験の、しかも

凛子が苦手とする

体力が必要とし、


まさか?

面接の時に、

所属する部署の先輩に

難ありと

最初っから

ダメ出し続きとは…


これはどう?

判断したものだろうか?


あんまり待たせすぎると

怪しまれるので

マッハのスピードで

凛子は考えた


でも…

直感で感じたフレーズには

『考えずに飛び込め!』


まさに!!

今ではないか


ここは神様に

凛子は決断を試されて

いるのだ


でも不思議と

凛子には、

周りの皆に怖いと

思われたり

数々の派遣社員とも

合わなかったこの先輩に

嫌悪感のイメージが

湧いてこなかったのだ


むしろ何の根拠もないが

この先輩とは

ウマが合う気がした


元気よく凛子は

『大丈夫です。

 よろしくお願いします』

と受け答えした


数日後…

合否の連絡が来て

『合格』だった


強烈な面接の質問攻め

だったのに

凛子はウキウキ、わくわく

していた


いままで

こんな気持で新しい会社を

スタートしたことは

無かった


なにもかも

始まりから違うのを

凛子は感じた


新しい職場に来て

一ヶ月が経った

しかし一向に

面接の時に怖いと言ってた

先輩らしき人が

わからないままだった


ある時、社員の方が

歓迎会を

しましょうって言って

下さって

隣に座った先輩に


『つかぬ事をお伺い

 するのですが…

 ここの面接の時に

 派遣社員の方と合わなくて

 大変な思いをされている

 社員の方がいると

 伺ったのですが…

 どなたのことか?

 ご存知ですか?』


すると…

隣に座った社員の

女性の方が

『それ、わたしのことだわ』

といきなり言われたので

凛子はびっくりしてしまった


えっ?

『佐藤先輩ことですか?』

思わず…

『なんで?』

って不思議すぎて聞いてしまった


実は凛子はずっと

この佐藤先輩から

お仕事を教わってて

めちゃめちゃ気さくで

仕事のできる女性なので

尊敬してたので


なんで?なんで?って

感じになってしまった


佐藤先輩の話を

聞いていると…

確かに佐藤先輩って

一匹狼タイプの女性だし

おんな女してないので

可もなく不可もなく

みたいなドライさはあった


でも凛子には

そんな佐藤先輩が

とても珍しくて

カッコいいし

楽だったので


凛子もどこに行っても

社員の人と合わない

数々の人間関係の

話をさせてもらい

ふたりで意気投合

したのだった


お互いの高校時代の

話まで話しに花が

咲いて…

思わぬ楽しい歓迎会に

よりなったのだった


その日を境に

更に佐藤先輩と仲良しに

なれたのだ


そんな時…倉庫が

移動をすることになり

工場の一番奥の現場に

移転させられることに

なった


そこでは

かなりの部材がトラックで

運ばれた後、

決められた棚に

きちんと納入しないと

いけないので

神経を使う仕事となった


時折、いろんな部署の人が

部材を取りに来た


青い制服の請負の

会社の人がいつものように

部材を取りに来た


あれ?

いつもの人とは

違うな…と

思ったので


凛子は簡単に挨拶を

することにした


『初めまして、

 山川と申します。

 これからはこちらの

 倉庫の担当になりますので

 よろしくお願いします』


請負の男性は

凛子にニコリとして

同じように

軽く挨拶をしはじめた


背格好は細身で

身長はそこまでは

高くなかった

顔立ちはどちらかというと

童顔な感じ


とっても笑顔が

可愛らしい


今、現実的には

初めて会ったのに

なんだかとても

前からもう知っているかの

ような懐かしさを

感じさせる


そんな近しい存在な

気がした


そんな風に

話してもないのに

雰囲気だけで

これほどのものを

感じたことは

凛子にはなかった


そんなことを

ひとり思いふけて

いると


その男性が

『あのう…

 山川さん、僕の話

 聞いてます?』

 って


あまりにも

ひとり妄想シーンに

浸ってたので

何も返答しない凛子に

少し気に触ったのだろう


『あっ、すみません…

 ちょっと考え事してました…えっと…

 何でしたっけ?

 もう一度、言って

 もらえますでしょうか?』


その男性は

では改めて…といって


『初めまして

 僕は…』


えっーーーー???

今!なんて言った?


さっきまで妄想に

ふけてぼぉーっとしてた

凛子も

一気に目が覚めてしまった

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〜ツインレイ〜凛子と宇宙の魂のふたごちゃん物語 勝美 あい @airintyan

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