シリーズ第1弾〜ツインレイ〜凛子と宇宙の魂のふたごちゃん物語(出逢って1〜5年)
勝美 あい
第1話 いつもと違う始まり
凛子はいつもどこかで
魂のふたごちゃんって存在を
探し求め歩いていました。
この人かな?あの人かな?って…。
でも…結局違ったなぁ…って
思いながら過ごしていました。
それでもなかなか諦められず、模索し続けては、はぁ~。ってため息をついてはの繰り返しの日々、そんな凛子に思わぬ出逢いが、待っているなんて…その頃の凛子には、想像もついてはいませんでした。
凛子はどこに勤めても人間関係でうまくいかず、
なぜか?あちこちで
いじめられたり、異常に嫉妬されることで、嫌がらせを受けまくったり、散々な人生を
送ってきていました。
そんな時、電車の中のある
フレーズに目がいったのです。そこにはこう書いていました。
『考えず飛び込め!!』
えっ?考えずに飛び込め?
こんなに考えて、就活して
凛子なりに見極めているつもりなのに…
考えずに飛び込んで応募してしまったら、それこそ最悪な仕事にしかつけなくなりそう…。って思ったものの、凛子は、もう色々自分なりに思いついたことは全てやり尽くしていた。
一か八か?勝負を駆けて見るか?
どうせ今もうどん底な状況なんだから、あとは
上がるしかないもんね!
こうなりゃ行動だ!凛子は思い立ったら吉日タイプである。
派遣会社へと足早に向かった。
そして凛子の担当者に、今すぐ紹介してもらえそうな会社を、お願いした。
担当者は、私がいつも希望している職種とは、違うのでどうかな?って思いながら…
あるにはあるんですが…
事務系ではなく肉体労働が八割の仕事なのですが、大丈夫ですか?と少し…申し訳なさそうに教えてくれた。
いつもの凛子なら即!断っている案件なのだが…ここはフレーズの通り
『考えず飛び込む』事にした。
数日後、面接に行った面接先の会社の人事担当の人が、質問をしてきた。
『今まで事務系で、肉体労動経験が無いようですが、かなり重たい荷物とかを、倉庫に運ぶ仕事ですが大丈夫ですか?』
凛子は『はい!大丈夫です』
と明るくハッキリ答えた。
すると…次にまた質問された。
『山川さんを指導する者は、
今まで、何十人と派遣社員と
上手く行かず、周りの皆んなからも怖い人と言われているのですが、大丈夫ですか?』
なんと…
今回の就職先は今まで未経験の、しかも凛子が苦手とする
体力が必要とし、まさか?
面接の時に、所属する部署の先輩に難ありと最初っから
ダメ出し続きとは…。
これはどう?判断したものだろうか?あんまり待たせすぎると怪しまれるので、マッハのスピードで凛子は考えた。
でも…直感で感じたフレーズには
『考えずに飛び込め!』
まさに!!
今ではないか
ここは神様に凛子は決断を試されているのだ。
でも不思議と凛子には、
周りの皆に怖いと思われたり、数々の派遣社員とも
合わなかった、この先輩に
嫌悪感のイメージが、湧いてこなかったのだ。
むしろ何の根拠もないが、この先輩とはウマが合う気がした。
元気よく凛子は
『大丈夫です。
よろしくお願いします』
と受け答えした。
数日後…合否の連絡が来て
『合格』だった。
強烈な面接の質問攻めだったのに、凛子はウキウキ、わくわくしていた。
今まで、こんな気持で新しい会社を、スタートしたことは
無かった。
なにもかも始まりから違うのを凛子は感じた。
新しい職場に来て一ヶ月が経った。しかし一向に
面接の時に怖いと言っていた先輩らしき人が、わからないままだった。
ある時、社員の方が歓迎会を
しましょうって言って下さって、隣に座った先輩に、
『つかぬ事をお伺いするのですが…ここの面接の時に、派遣社員の方と合わなくて、大変な思いをされている社員の方がいると、伺ったのですが…どなたのことか?ご存知ですか?』
すると…隣に座った社員の
女性の方が、
『それ、わたしのことだわ』
といきなり言われたので、
凛子はびっくりしてしまった。
えっ?
『佐藤先輩のことですか?』
思わず…
『なんで?』
って不思議すぎて聞いてしまった。
実は凛子はずっと、この佐藤先輩からお仕事を教わってて、めちゃめちゃ気さくで
仕事のできる女性なので、尊敬してたので、
なんで?なんで?って
感じになってしまった。
佐藤先輩の話を聞いていると…確かに佐藤先輩って、一匹狼タイプの女性だし、おんな女してないので、可もなく不可もなくみたいな、ドライさはあった。
でも凛子にはそんな佐藤先輩が、とても珍しくて、カッコいいし、楽だった。
凛子もどこに行っても、社員の人と合わない数々の人間関係の話を、させてもらい、
ふたりで意気投合したのだった。
お互いの高校時代の話まで
話しに花が咲いて…思わぬ楽しい歓迎会によりなったのだった。
その日を境に更に佐藤先輩と仲良しになれたのだ。
そんな時…倉庫が移動をすることになり、工場の一番奥の現場に移転させられることに
なった。
そこではかなりの部材がトラックで運ばれた後、決められた棚にきちんと納入しないと
いけないので、神経を使う仕事となった。
時折、いろんな部署の人が
部材を取りに来た。
青い制服の請負の会社の人が、いつものように部材を取りに来た。
あれ?いつもの人とは違うな…と思ったので、凛子は簡単に挨拶をすることにした。
『初めまして、山川と申します。これからはこちらの倉庫の担当になりますので、よろしくお願いします。』
請負の男性は凛子にニコリとして同じように軽く挨拶をしはじめた。
背格好は細身で身長はそこまでは高くなかった。
顔立ちはどちらかというと、
童顔な感じで、とっても笑顔が可愛らしい。
今、現実的には初めて会ったのに、なんだかとても
前からもう知っているかの
ような、懐かしさを感じさせる、そんな近しい存在な気がした。
そんな風に話してもないのに、雰囲気だけで、これほどのものを感じたことは、凛子にはなかった。
そんなことをひとり思いふけていると…。
その男性が
『あのう…山川さん、僕の話を聞いています?』
って言ってきた。
あまりにもひとり瞑想シーンに浸ってたので何も返答しない凛子に少し気に触ったのだった。
『あっ、すみません…
ちょっと考え事してました…
えっと…何でしたっけ?もう一度、言ってもらえますでしょうか?』
その男性はでは改めて…といって、
『初めまして僕は…』
えっーーーー???今!なんて言った?
さっきまで瞑想にふけて、ぼぉーっとしてた凛子も、一気に目が覚めてしまった。
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