side難
第12話
裁判所の手続きをして、今日は被告人の弁護人と会う。
被告人の弁護人はお歳をとった方だったが、穏やかに話をした。
「どうして引き受けたんですか?」と聞くと彼はこう答えた。
「たしかに最低な奴だが、わしはあいつを見放してはいけないと思ったんじゃ。あいつが育てられたところはご両親は医者でご兄弟も全員医者だった。自分だけが違う職業になったことに追い詰められてた部分もあるが、刑事責任能力がないとはおもっとらん。わしはあいつの精神鑑定を依頼しておらん。あいつも望んでおらんのじゃ。」というと「あいつは少女に一生消えない傷を作ったのも当然じゃが、わしはあいつを立ち直らせてもう一回やり直らせてやりたいと思ったのじゃ」という。この人は考え方が似てると思った。
「原告人はまだ未成年です。原告人も被告人とのこの事件を一刻も早く解決してほしいと望んでます。たしかにひどいことをされたんですが、原告人は罪を償ってくれたらそれでいいといっております」というと、被告人の弁護人は「おたがい全力を尽くしましょうの、若者よ。」といった。
帰ろうとしたとき、湊から連絡があったのだ。「兄貴、終わった。すぐこい。」と言われて学校に飛んで行った。何事だろう。と思った俺は学校につくと、「湊、どうした。なにかあったのか」と聞いた。
すると麗奈ちゃんと呼んだ時、「はい」と言ったのが聞こえた。
「俺もびっくりしたんだけど、レナちゃんしゃべれるんだよ」という湊。カタと呼ぶ麗奈に俺はいつもの様子で、「レナお前よく頑張ったな」と言った。
湊は「麗奈ちゃんがしゃべれるようになったのはいいけど、あまり無理をさせるなよ」という。
「そっか」という俺だったが麗奈は「難とお話ししたい」心の中でもそう聞こえたのだった。
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